Blog No.1 2023/08/14
テーマ1:ストアに出せなかった写真
発信者:加藤辰彦
プロフィール
この写真は、秩父にある滝沢ダムの工事現場で撮ったものです。20年前の2003年7月20日の撮影です。このダムは2011年に工事が完了しました。
撮影した年の3月、岐阜の実家への帰省の帰りに中央高速道路の渋滞を避けて山梨で高速道路を降り、雁坂峠越えの国道140号線で所沢へ帰ることとしました。すでに夕方であたりは真っ暗になっていました。栃本を通過すると国道はバイパスとなり、真新しいトンネルを抜けると遠くの山に不自然なオレンジの光が煌々と輝いていて、何事かと思いました。さらに進むとこれまた山の中には不釣り合いな大規模で近代的なループ橋が現れ、よく見るとダム工事現場でした。流れる霧の中、オレンジ色のナトリウム灯に照らされたダム工事現場はまるで異次元の世界です。息をのむようなきれいさがあり、強烈な体験となりました。
その後、この感動をカメラに収めたいと思い、何度か挑戦しました。なかなか「流れるような霧」が発生しなくてうまくいきませんでしたが、その年の7月にやっとあの感動のシーンと再会することができました。冒頭の写真と右の写真がその時に撮ったものです。
この写真、今のデジタルカメラでしたら手持ち撮影で容易く撮れると思います。しかし、当時はもちろんフィルムカメラです。しかも画像の質感を出すために重い中判フィルムカメラを選び、準望遠の120mmレンズを付け頑丈な三脚にセットしました。重装備です。これをループ橋の歩道上に置いたのですが、車が通過するたびに橋自体が揺れます。撮影チャンスはそう多くはありませんでした。手間をかけて撮りました。
この写真、ただのダム工事現場ですが、なかなか気に入っています。身近な方々に見てもらったこともあります。
本サイトのストアの準備段階では、当然このシーンも販売シーンに含めていましたが、映像権について熟考する段階で考え込んでしまいました。ダム構造、または工事現場風景自体に映像権があるとも思えませんが、この特別な写真を果たして私が販売してもいいのかどうか・・・ やはり最低限このダムの管理事務所に了解をとることが必要と思いました。
しかしこの話を持ち掛けると、多分、事務所長さんが映像権関係を確認するのに手間をとらせてしまうだろうと思い、この写真はストアに出さないことにしました。考えすぎかもしれませんが。
ということで、このシーンは何もしなければ永久にお蔵入りとなってしまいます。もったいないと思いましてこのブログコーナーで取り上げることにしました。
気に入った写真でストアに乗せられない写真はこのほかにもあります。機会を見てご紹介していきたいと思います。
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以 上
アダジュン さん
黄金色の深い山の谷、幻想的だなーと思ったら、ダム工事現場なんですか~。
こういうシャッターチャンスは難しそうです
K.Tatsuhiko
アダジュンさんコメントありがとうございます。
(アダジュンさんは、素敵な絵を描かれる作家さんです)
幻想的ですよねー、共感して頂いて嬉しいです。同時に安心しました。
こうゆう風景に拘るの、変じゃないですよね!
(加藤辰彦)
たま さん
ダムは一時期、何件か車で廻った思い出ありますが、存在感強すぎて圧倒されますね。
工事中のライトに霧の効果か、幻想的で、撮りたくなる気持ちがわかる気がします。
異次元と言えば、私も高速道路走行中、湾岸辺りだったでしょうか?工場地帯のパイプだらけの建物、いたる所にオレンジ色のライトがついていて、異様さと幻想的な雰囲気に引き込まれた覚えがあります。SF映画を観ている様なインパクトは忘れられないですね。
建造物はスケールが大きいので、目を見張ります。
K.Tatsuhiko
たまさん、コメントありがとうございます!
たまさんが見られた湾岸の工業地帯、川崎でしょうか。インパクトがあるんですね、結構夜景スポットとして人気があるみたいです。
私も実体験として、遠い昔、札幌・函館間の夜行列車に乗った際に、真夜中、いきなりライトに煌々と照らされたプラント群(室蘭工業地帯)が現れ驚いたことがあります。今でも鮮明に記憶しています。
大規模構造物の夜景は異次元の世界ですね。
(加藤辰彦)